辞書を修理しました。
2020年 05月 29日
今回は練習としての修理です。
本の壊れ方は一冊一冊異なります。
私も少し修理技術を身につけたとはいえ、まだまだひよっこ。
すこしでも経験を積まなければと、日々練習中です。
たぶん、一生勉強しないといけない世界だと思う。
これは我が家の国語辞書。
ずいぶん古いのですが、使い勝手の良い大きさなので、
修理してみることにしました。
表紙、見返しがぼろぼろになって、
見返しは表紙からはがれかけています。
表紙はあちこち破れ、セロテープでの修理跡もあります。
今回は解体の修理を兼ねているので、
ひとまず、表紙、見返し、中身に分解します。
表紙は欠損も多いので、作り変えることにします。
見返しを剥がしました。
裏に、表紙の芯の紙がしっかりと接着しているので、
ヘラやスパチュラでこりこり削って、はがします。
中身も、一丁ずつばらばらにしようと、
背にゆるいデンプンのりを与えて湿らせましたが、
戦後の発行なので、化学性ののりが使われているのか、
剥がれる様子はありませんでした。
綴じ、背固めはしっかりしているようなので、
中身はこのまま使う事にします。
背に寒冷紗、花布、クータを貼ります。
見返しは薄く、劣化もしているので、
和紙で裏打ちします。
表紙は地券紙というボードより薄くしなやかな紙を芯にし、
クロスで巻きました。
中身、見返し、表紙を合体させ、
もとの表紙から題字部分を切り取ったものを貼って、完成です。
見返しを裏打ちした和紙がちょっと厚かったでしょうか。
もとの表紙がビニルっぽい素材で、
新しい表紙クロスとの相性が悪く、題字がなかなかうまく接着してくれませんでした。
一冊一冊、日々勉強ですね。
辞書は綺麗に生まれ変わったので、
なんでもwikiさんが教えてくれる世の中ですが、
これからも大切に使ってやりたいと思います。
★絵本、経典の修理など行っています。
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by kouboudaidai
| 2020-05-29 06:28
| 本を繕う