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辞書を修理しました。

今回は練習としての修理です。
本の壊れ方は一冊一冊異なります。
私も少し修理技術を身につけたとはいえ、まだまだひよっこ。
すこしでも経験を積まなければと、日々練習中です。
たぶん、一生勉強しないといけない世界だと思う。

これは我が家の国語辞書。
ずいぶん古いのですが、使い勝手の良い大きさなので、
修理してみることにしました。
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表紙、見返しがぼろぼろになって、
見返しは表紙からはがれかけています。
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表紙はあちこち破れ、セロテープでの修理跡もあります。

今回は解体の修理を兼ねているので、
ひとまず、表紙、見返し、中身に分解します。

表紙は欠損も多いので、作り変えることにします。
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見返しを剥がしました。
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裏に、表紙の芯の紙がしっかりと接着しているので、
ヘラやスパチュラでこりこり削って、はがします。
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中身も、一丁ずつばらばらにしようと、
背にゆるいデンプンのりを与えて湿らせましたが、
戦後の発行なので、化学性ののりが使われているのか、
剥がれる様子はありませんでした。

綴じ、背固めはしっかりしているようなので、
中身はこのまま使う事にします。
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背に寒冷紗、花布、クータを貼ります。

見返しは薄く、劣化もしているので、
和紙で裏打ちします。
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表紙は地券紙というボードより薄くしなやかな紙を芯にし、
クロスで巻きました。

中身、見返し、表紙を合体させ、
もとの表紙から題字部分を切り取ったものを貼って、完成です。
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見返しを裏打ちした和紙がちょっと厚かったでしょうか。
もとの表紙がビニルっぽい素材で、
新しい表紙クロスとの相性が悪く、題字がなかなかうまく接着してくれませんでした。

一冊一冊、日々勉強ですね。
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辞書は綺麗に生まれ変わったので、
なんでもwikiさんが教えてくれる世の中ですが、
これからも大切に使ってやりたいと思います。
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★絵本、経典の修理など行っています。
ご依頼、ご相談は
saesuzu581☆gmail.com
までお願いします。(☆を@に変えてご入力ください)


# by kouboudaidai | 2020-05-29 06:28 | 本を繕う | Comments(0)

楽譜を修理しました。

知人からの依頼で、サティの楽譜を修理しました。

もともと彼のお母様のもので、
かなり古い楽譜です。
思い出の品だそうで、
装丁などはできる限り現状維持で修理してほしいとのこと。
楽譜を修理しました。_a0330267_17202180.jpg
もとの綴じはホチキス止めの中綴じ。
ホチキスは錆びて、中ほどのページは
何枚か中央で破れています。
表紙も背中で破れています。
表紙の中央部も破れあり。角にも欠損があります。
破れはセロテープや梱包用の透明テープで貼ってありますが、
セロテープは劣化して、はがれているものも多い。
テープの劣化の為、紙には茶色い染みができています。

途中経過の写真があまりないのですが、
まずは、テープ類、ホチキスをはずして、解体します。
テープは、アイロンを当てると意外に簡単に剥がれました。
表紙もつるっとした紙なので、紙を剥がさずに、
テープのみ、綺麗に剥がすことができました。

中央で破れている紙は、和紙で継ぎます。
楽譜を修理しました。_a0330267_17265932.jpg

折れている上部の角の紙は、
少し湿らせ→アイロン、を繰り返し、平らにのばします。

表紙は裏打ちしようかと思ったのですが、
紙がもろくて、水にとても弱そうだったので、
破れている部分のみ、内側に和紙を貼ったり、
デンプン糊を入れたりして補強しました。

装丁がコーネル装を模して、
背と角が黒くなっていたので、
欠けていた表紙角には黒の和紙を入れたりして補強します。

中身は麻糸で中綴じ(ミシン綴じ)しました。
楽譜なので、どのページでもしっかりと開くような綴じを選びました。
中身を綴じるとき、寒冷紗も一緒に綴じます。
これでより丈夫になります。
楽譜を修理しました。_a0330267_17240208.jpg
中身と共に綴じた寒冷紗を表紙に貼り、合体させます。
表紙と中身を、さらに(見返し的に)細い和紙で継ぐという方法も
ありますが、いったん、これで様子を見ようと思います。
楽譜を修理しました。_a0330267_17250337.jpg
表紙の、色が剥げているところを、
不自然でない程度に色を補い、完成です。

(内容保護のため、中身にはティッシュをかぶせて撮影しています。)

しっかりと補強され、再び使用してもらえる楽譜に生まれ変わりました。
楽譜を修理しました。_a0330267_17252307.jpg
綺麗な楽譜がほしいなら、新しい物を買った方が絶対に安いと思います。

しかし、もう手に入らない古いものや、
ご家族の思い出のつまったものは、買う事はできません。
放っておいたら、劣化していってしまう大切な本や楽譜、
すこし手を入れれば、長持ちさせることが可能です。

大切な本を、ずっとずっと、大切にしていただけますように。

★絵本、経典の修理など行っています。
ご依頼、ご相談は
saesuzu581☆gmail.com
までお願いします。(☆を@に変えてご入力ください)



# by kouboudaidai | 2020-05-28 05:50 | 本を繕う | Comments(0)

新しい環境へ。○○○○○の大切さを改めて実感。

我が家は今年4月頭に引っ越しをしました。
親の都合での引っ越し。
うちのちびたちは大好きなお友達と離れなければならない、
しかも、コロナの最中で、最後の別れも、
ゆっくりとはできないという状況で、
非常にストレスフルだったと思います。

引っ越し当日、新居に着いたのは
もう暗くなってから。

新居は古い日本家屋。
下見をする時間もほとんどなかったので、
上の子は、新居の中に入るのは初めて。

真っ暗な未知の家に、
ちびたちは、とっても緊張していたと思います。

その中で、比較的スムーズに新生活に入っていけたのは、
「ものがたり」のお陰だったと思うのです。

ものがたり。

具体的には、「となりのトトロ」です。

暗い場所に入って行くたびに
「まっくろくろすけでておいでーーー!!」と叫ぶ。
「階段をみつけて、2階の窓をあけましょう」と言ってやると、
2階という未知の世界への恐怖心を克服して、
階段を登っていける。

子供たちは、なかば、トトロの世界を
疑似体験することで、
新しい家という、未知の場所に、
無理なくなじんでいったと思うのです。

ちびたちが新居を怖がったりしなかったので、
私たち親も、とても安堵しました。
私たちも、トトロにものすごく助けられたのです。

それで、あらためて思いました。

「ものがたり」ってすごいな、って。
今回は「トトロ」だったわけですが、
トトロだけに限らず、
子供たちの中に、根付いた「ものがたり」は、
新たな世界へ入っていく時、
子供たちを支えてくれるのだな、ということを
あらためて感じたのです。

これからも、子供たちが、(うちの子も、すべての子も)
たくさんの「ものがたり」と出会い、
強くしなやかな心を育んでくれることを願います。
新しい環境へ。○○○○○の大切さを改めて実感。_a0330267_09141116.jpg
そんな我が家からは、小川をはさんだ向こう側に、
トトロの森のような丘が望めます。

ゆっくりと、ゆっくりと、
この場所に、なじんでいきましょう。

# by kouboudaidai | 2020-05-10 09:14 | えほんってすごい! | Comments(0)

経典を修理しました。

壊れやすい本の代表格のひとつに
「経典」があります。

経典とはお経が記された書物で、
多くの場合、折り本の形式をとっています。

毎日のおつとめ、法要の度に、
使用される経典。
折り本ですので、どうしても、
折り目の部分が切れやすいという性質があります。

日々のおつとめで使いこまれ、
ぼろぼろになった経典を修理しました。

何か所もの折り目で破れが生じています。
それをテープで修理してあるので、
まずはそれをはがすところからです。
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テープをはがしています。
これが大変。
破れたからといって、テープを貼るのは絶対にダメ!
と、改めて声を大にして言いたい。
ふかふかした紙なので、どうしても表面がテープに
ひっついてはがれてしまい、文字が取れてしまいます。
これは後で補筆します。
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バラバラになった中身を、
細い和紙で継いでいきます。
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表紙もボロボロだったので、
新しく作りました。
(もともとは黒の表紙でしたが、
依頼主さんの希望で、赤に。)
題字を貼り戻して、完成です。
(お寺の印をが押してあるので、ヘラで隠しています。)
経典を修理しました。_a0330267_11291322.jpg
丈夫に修理できました。

でんぷんのりを使用して修理しているので、
また破れても、再修理が比較的容易です。

もともと数百円の教典なので、
新しく買った方が安いと思いますが、
ちゃんと修理すれば、書き込みや思い出もそのままに、
さらに愛着のあるものとして、残していけます。

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# by kouboudaidai | 2020-05-08 06:29 | 本を繕う | Comments(0)

製本、本の修理、豆本作り、絵本作り、絵本の読み聞かせなど、本まわりのことをいろいろやっています。


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